2009/11/15

Winedevil ワインデビル



 その自動演奏楽器展Ⅱで、自動演奏を聴きながら説明を受けていた中、ゲストハウス・オルガン(2000年ハンスヨーク・レイベル作)で面白い話を聞きました。そのオルガンはオートマタの1種で、自動演奏を奏でながら、人形が動く仕掛けになっているオルガン(というかオルゴール)なのです(画像参照)が、設定が中世ドイツのバーです。店でワインを飲むおじさん(客)とピッチャーにビールを入れようとするもうまくいかなくてイライラする店のオヤジ、またオヤジがしっかり仕事をしているか店の裏で奥さんが見張っています。店の中に樽があるのですが、曲を奏でる間、時々樽の中から赤鬼みたいな小悪魔みたいなものが顔を出します。
 これは、Wine Devil(ワインデビル)と言って、ドイツでは、ワインで酔っ払って悪さしても、それは自分のせいではなくて、ワインデビルの所為だとうそぶくそうです。その時、オランダでのクリスマスの風習を思い出しました。
 現在のクリスマスはアメリカで商業化されたもので、その元になったものはオランダのSinterklaasje(シンタクラース)と言われています。シンタクラースは11月中ごろにスペインから船でやってきます。オランダに着いたら、馬で移動、夜中に家々を訪問するのですが、木靴に馬の好きなニンジンを入れておくと、シンタクラースがお返しにお菓子を入れていきます。悪い子はお伴のZwarte Piet(ズバルトピッツ)が連れ去ってしまいます。そのズバルトピッツはいたずら者で、家の中に入ってきては散らかして帰ってしまいます。
 ドイツに入るとそのズバルトピッツは小さな妖精の話に代わり、普段は家の屋根裏に住んでおり、家々を守っていますが、12月にお礼をしないと悪さをするそうです。北欧にいくと、似たような存在でNissa(ニッサ)さんとなります。欧州では、国々でこのような言い伝えがあります。きっとワインデビルもその一つと思います。
 ともあれ、いい歳で酒癖悪いのをワインデビルの所為にするのはやめましょう。

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